2021年2月3日水曜日

『名園の落水』室生犀星


さう思ふと、名園を背景にしたせゐであらうが、あんな下らない落水が自分の心を惹くのも、おのづから自分にふさはしい好きなところを選んだのだと思つた。しかもそれは古くからあるのでなく、恐らく夕顔亭の主人がこさへたものであらうと思つた。わたしはもう一度佇つて其処の小さい崖と、落水の音を聞いた。


https://www.aozora.gr.jp/cards/001579/card53513.html

0 件のコメント:

コメントを投稿