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2021年2月5日金曜日

『波千鳥』川端康成


悔いの火のなかに蓮華の
花の咲いている思いもありました。私はあなたを愛していたのですから、あなたが私になにをなさろうと、醜いなぞということはないはずです。私は夏の蛾のように火に近づいて行ったのです。

『さざん花』川端康成


その子は生ある人であったのか、私はなんとも言えない。それは母胎のなかにいただけだ。この世の光に触れなかった。心というようなものは持たなかったかもしれぬ。しかし私達と五十歩百歩だろうし、あるいは最純粋で最幸福な生であったと言えるかもしれない。

『化粧の天使達』川端康成


ここへ来る汽車の窓に、曼珠沙華が一ぱい咲いていたわ。 あら曼珠沙華をごぞんじないの? あすこのあの
花よ。 葉が枯れてから、花茎が生えるのよ。 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。 花は毎年必ず咲きます。