2021年2月5日金曜日

『すみだ川』永井荷風


朝夕がいくらか涼しく楽になったかと思うと共に大変日が短くなって来た。
朝顔の花が日ごとに小さくなり、西日が燃える焔のように狭い家中へ差込んで来る時分になると鳴きしきる蝉の声が一際耳立って急しく聞える。八月もいつか半(なかば)過ぎてしまったのである。


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