2021年2月4日木曜日

『ガドルフの百合』宮沢賢治


美しい
百合の憤りは頂点に達し、灼熱の花弁は雪よりも厳めしく、ガドルフはその凛と張る音さえ聴いたと思いました。暗が来たと思う間もなく、また稲妻が向うのぎざぎざの雲から、北斎の山下白雨のように赤く這って来て、触れない光の手をもって、百合を擦めて過ぎました。


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