2021年2月4日木曜日

『それでも私は行く』織田作之助


愁いを含んだ鈴子の横顔を小郷はとろんとした眼でながめていた。行燈式のスタンドの青い光に照らされた鈴子の顔は、もう頬紅の色も見えず、青白いというより、むしろ
百合の花のように白かった。百合の花のように可憐で、清楚であった。痛々しいばかりに、清楚であった。


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